未分類

未分類

スタッフK君(=神山くん)新コーナー! 本日のメニュー1 「熱々の食べ物」

main

このコーナーの登場人物

原先生の元で修行させてもらっているいちスタッフです。得意技は、電話に出ること、出前をとること、宅急便の配達でサインをすること……って、全然マンガと関係ないじゃないですか! ちゃんと描いてますよ! マ・ン・ガ・を!!

マスター

ある時は“伝説”とも“幻”とも称される『バー・テツオ』の女マスター。またある時には、世界中に溢れる原哲夫ファンからも一目置かれる超絶マニア。その実態は……。この連載を見ている人だけに、少しずつ明らかにしていこうかしら。

キョロキョロ、キョロキョロ……。あれ? もしかして僕、来ちゃった? これって、着いちゃってる? ここが“伝説の”、そして“幻の”と言われる、「バー・テツオ」なの??

どうぞ、いらっしゃい。そう、ここが原哲夫の狂信的なファンだけが足を踏み入れることができる「バー・テツオ」。吉祥寺駅を降りて、徒歩1分の所にあるのよ。

ちかっ! 案外、見つけやすっ!! 今まで気づかなかったのが、不思議だよ!

駅前のマ○イやパ○コに負けないくらい見つけやすい立地だからね。でも、原哲夫への信仰心が強くないと、見えないという噂もあるのよ

(いまどき、そんな胡散臭い都市伝説めいたものが……)
あ、そうなんですね……

(あらこの子、まったく信用していないわね……)まあとにかく、当店のメニューはコレ。何がお好みかしら?

ん~、なになに? 「原哲夫が描く子どもたち」「原哲夫が描く動物」「原哲夫が描くムッとする女性」……。おお! どれも面白そうだ!! えっとじゃあ、お腹もペコペコなので、この「原哲夫が描く熱々の食べ物」をお願いします!

「パクッ!」を描くから、「うまっ!」になるの。

神山君、マンガにおいて、食事のシーンっていうのは、とっても重要なの。何かを食べているシーンの描き方で、例えば人間関係や、食べている人のキャラクターなんかを、自然に表現できるのよ。

そうなのか! でも原先生の作品で、そんなに印象的な食事シーンなんて、あったかな……。

もう、おバカ!! そんなことだから、仕事においても、絵を描くよりも電話番ばかりさせられるのよ!

なんでそれを……。そもそも、なんで僕の名前を知ってるんだ……。

じゃあ例えばこのシーンを見てみて。

花の慶次・第3巻239P『聚楽行幸の巻』(ZENON COMICS DX)より ©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/NSP 1990

これは、『花の慶次』に出てくる捨丸ね。このコマ、どう?

はっきり言って、美味しそう過ぎる!

そうでしょ? この1コマにも、原哲夫のすごさが詰まっているのよ。ちなみに、神山君が考える「美味しい!」と思っているキャラクターって、どういう感じ?

「美味しい!」ですか? そうだなぁ……。スラスラスラ~っと。例えばこんな感じでしょうか……。

0720_2

ダメ! これじゃまったく美味しさが伝わらないわ。あなた、休日に1人で動物園に行ったりしてるから、こんな絵しか描けないのよ。

ちょ、ちょっと! 休みの日なんだから、どう過ごしてもいいじゃないですか!

(ツッコミにキレがないからスルーだわ)つまり、人がモノを食べるシーンは「ア~ン」→「パクッ」→「モグモグ」の3ステップなの。で、一般的に言って、最後の「モグモグ」のところで「美味し~い!」となるのが、定石なのよ。

なるほど! それと比べて、先生の絵は「パクッ」のところを描くことが多いような気がします! 食べ物の“味”だけを描くというより、“食べることの幸福感”そのものを表現している感じだ!!

ふふふ。やっと分かってきたみたいね!

マスターの謎をあばけ!!

じゃあ今夜は特別に、あと何コマか、サービスしちゃおうかしら。

(左上) 花の慶次・第2巻72P『くノ一無情の巻』(ZENON COMICS DX)より ©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/NSP 1990
(右上) 蒼天の拳・第6巻211P『あの日から!!の巻』(ZENON COMICS DX)より ©原哲夫・武論尊/NSP 2001   
(左下) いくさの子・第6巻81P『海賊VS海賊』(ZENON COMICS DX)より ©原哲夫・北原聖望/NSP 2010      
(右下) 花の慶次・第12巻99P『終生の友の巻』(ZENON COMICS DX)より ©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/NSP 1990

どうかしら? どんどんお腹が空いてくるでしょ?

どれも本当に美味しそうだ! しかもこう見ていると、主人公の味方か敵かでも、描写が違っているんだ。う~ん、食事シーンひとつとっても、やっぱり先生はすげえぜ!!

うん。そうね。わかってくれて嬉しいわ!

……あれ?

ん?? 神山君、どうしたの?

先生の作品に夢中になっていたし、店内も薄暗いから気づかなかったけど……。

え、なに? 私、なにか変??

マスター、よ~く見ると……

ちょっと、やめてよ! 気持ち悪いわ!!

ボ、ボインちゃんじゃないですか……。僕が、大好きな、ボインちゃん!
 
先生の描くどの絵より、これが一番おいしそうだ……。

何を言ってるのよ! 私が一生懸命に先生の絵の素晴らしさを説明したっていうのに!

それはそれ。ボインはボイン。もう、止まらない。いっただきま~す!!

こら! もう許さない!! 私が原哲夫マニアたちから崇められる存在っていうことを忘れたの??
 
北斗百裂拳ならぬ、北斗一裂拳!!!!!

(次回につづく)