トピックハラメモ

育て、巣立たせる。そのために……(後編)

yokatetsuo

原哲夫流の教育論。後編となる今回は、具体的な実践法から、スタッフをさらなる高みへと向かわせるための将来的な展望までも語ってもらいました! さあ、どんなサプライズ発言が飛び出すの??

スタッフのレベルを高く維持する、その方法とは!?

原:普段から「僕は100点の人間なんだ!」って思っていないと、それより低い場所に慣れちゃって、本当はもっと上手にできるとしても、わざと下手にやっちゃう。だから、子どものうちから「100点でいるのが当たり前」っていう風に育てないとダメだね。

ーーなるほど! 親が「お前はダメだ!!」って言っちゃうと、60点をコンフォート・ゾーンにする人間になっちゃうんですね。

原:そうそう。100点が居心地のいい場所にして、100点じゃなかった時に「君らしくないね」って言うことが大事。若いうちからそうやって教えないと。漫画においても、どうしても壁にぶつかったり、現実に叩き潰されたりする中で、自分の平均点を下げていっちゃうからね。「90点でいいや」「80点でいいや」……って。だから僕たちみたいな大人が、それでも100点を目指させるように導いてあげないといけない。可能性を教えてあげないとね。

100点の時こそが本当の自分なんだという事実を、子どもの頃から植え付けさせる。それが原哲夫の考えるスタッフの育て方なのか。

ーーでも、そうやって先生に褒められると、若い人たちは調子に乗っちゃうんじゃないですか?

原:そうなんだよ。そこがまた難しいよね。でも、それでちょっとくらい調子に乗ったところで、結局、この世界って厳しいから。絶対にまた「やっぱり、俺もマダマダだな」って思う時が来るの。そういう時に、僕たちがもう一度「でも、君はできるんだよ」って言ってあげないとね。

ーーほ~、なるほど! じゃあ先生自身も、これまでに勘違いしたり、調子に乗ったりした時があったんですか? 例えば『北斗の拳』がヒットした時とか……。

原:それが、まったくなかったんだ。僕は得意な所が一部分しかないし、誰かに助けてもらいながらじゃないと、何もできないからね。

確かに、先生は原作者や編集者など、ともに作品づくりに励んだ周りの人たちの感謝の念を、いつも語っている。

原:仮に僕が成功しているとして、それは僕ひとりの成功じゃなくて、必ず誰かのサポートがあってのことだからね。それに、確かにヒットした作品もあるけど、失敗した作品も色々とあるから(苦笑)。だから、勘違いしたりすることは本当になかったかな。逆にすべての作品が上手くいってたら、もっと調子に乗っていたかも知れないけどね(笑)

20160120

思わず飛び出した、大いなる構想とは?

原:スタッフの中からスターみたいなひとが1人でも出れば、全員にもっと競争心やライバル心が芽生えて、その後、5人くらいドドッと出てくると思うよ。

ーーうん、それは確かにそうですよね!

原:だから、いずれ僕のスタッフをデビューさせようって考えてるんだ。でも今はまだ、みんな少し実力が足りない。惜しい子はいるけどね。

ーーええ! デビューですか!!

原:うん。演出とかキャラデザに関しては、僕がサポートすることができるしね。

ーーおお、そんな計画が!! それは今から楽しみ!

原:あとは、本人たちのやる気次第だと思うよ!! 本人があきらめたら終わりだからね。

これまでも森田まさのりさんをはじめ、多くのアシスタントを次のスターとして巣立たせてきた原先生。新たな愛弟子のデビューが決まれば、ビッグニュースです。その日が来るのが、待ち遠しいばかりですね!!