トピック先生、ひと言いいですか

Vol.11 活版部門 背景担当 西川治(にしかわおさむ)後編

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原哲夫と共に働くたくさんのスタッフを、抜き打ちでチョクゲキ!! 普段は見ることのできない原哲夫の素顔や、仕事のこぼれ話を大バクロするこのコーナー。第11回の今回は、背景担当、西川さんの登場です。

とても物腰が柔らかく、会話のはしばしに知性を感じさせる西川さん。ベテランのスタッフとして原先生から絶対的な信頼を得ると同時に、若いスタッフには、頼れる兄貴的存在として慕われているようです。情熱的に、真剣に仕事に取り組む姿が、あってこそなんでしょうね。
これまでのスタッフと違って、西川さんのために用意された個室で行われた取材。さて、どんな話が聞けるんでしょうか。

サブチーフとしての心がけと気配り、そしてアドバイス
休日も、エンジンが空焚きされている感じで、身体は休もうとしているんですが、どうしても頭が仕事から離れません。例えばテレビを見ていても、仕事に関係するような単語が聞こえてきた瞬間「うちの事務所でも、こうした方がいいかな」って考えてしまったり……。ダメですよね。いわゆるワーカホリックと言うか。この前、占いをした時もそう出ましたよ。「典型的な日本人だ」って(笑)

もちろん、ストイックに追求するレベルではない、好きなこともたくさんありますよ。例えばゲームをしたり、一緒に行ける人がいればダーツに行ったり。ここのスタッフとレクリエーション感覚で、富士急ハイランドに行ったこともありました。ご飯を食べに行った後に、ボーリングに行ったり。まあ、その程度ですけどね。

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若いスタッフに望むこととしては、失敗してもいいから、自分の頭で考えて、もっと積極的に前に出て行く姿勢ですね。例えば、年上のスタッフに遠慮して、自分の能力に自分でフタをしてしまっている人もいると思います。もちろん、年長者に対する礼儀は踏まえた上で、自分からどんどん進んで行ってほしいです。
自分が持っているスキルを活かし、チームの力も上げていく!
将来的な構想として、なんとなく考えているのは、日本マンガの海外への発信。そして、海外から発信する日本マンガですね。というのも、日本のマンガを海外に輸出しても、通るモノと通らないモノがあります。当然、海外にあって日本にない文化や、その逆のパターンもありますから。例えば日本の学園モノが海外で流行らないのは、学校の文化がまったく違うからですよね。

国が違えば、文化も違うし、習慣も違う。日本では日常を描いた作品でも、海外だとファンタジーになってしまいます。その点、私は7歳までブラジルにいたので、向こうの感覚も少しは持っている。それを活かして、いつか海外発信の日本マンガをつくることができればいいなと漠然と考えています。まだ具体的なビジョンがあるわけではないですけどね。

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あと、自分自身の当面の目標で言うと、Macでの操作に慣れることですね。この業界に入ってからずっとアナログ環境で作業をしてきたので、アナログだとできることも、データ上での作業となるとできないことがあるんです。だから、自分の持っている知識や経験と、若い人たちが持っている能力をうまくミックスできれば、よい流れにはなると思っています。

そうやって、もっともっと仕事がスムーズに回るようにしたいし、先生とスタッフとの関係においても、さらに理解者を増やして、より深いコミュニケーションがとれるようにしたいですね。そうすれば、仕事の質も高まるし、効率ももっと良くなると思います。

(おわり)

今回取材に応じてもらった西川さんからのメッセージ
原先生が今のスタイルのスタジオを構える前、さらに、コアミックスが本格始動を始める前から先生の元にいる自分は、気づけばもうすぐ16年目になります。

この仕事場で原先生の元で過ごさせて頂いたことは自分には大変多くの漫画の技術だけでなく、人間としても多くの経験値を得た大切で濃密な時間だと思っています。
原先生のこの仕事場の元で今の自分にまで成長させてくれた先生や先輩方から受けた恩を、これから後に続く後輩たちへこれまでに培った技術と経験を出来る範囲内で伝えていくことが、少しは恩返しになっていれば嬉しく思います。

原先生の作品がこれからも続いていけるように願っております。

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西川さんのイラスト